夢のマイホームを購入した際に、ガレージや駐車場にタイヤ跡が付着するのはよくあります。
またタイヤ痕は、簡単に付着する割に消そうとしてもなかなか消えないので掃除が大変です。
ここではそのような方のために、コンクリートにタイヤ跡がついたときの対処法と、できるだけ汚さないための方法などを解説します。
Contents
駐車場のコンクリートにタイヤ跡が付いてしまう原因
新しいコンクリートは白く綺麗なので特にタイヤ跡がつきやすく、そして汚れの付着が少ないので余計に目立ってしまいます。
コンクリートはセメントを使用して作成しますが、セメントの特性としてカルシウム成分が表面に出てくるのでタイヤと擦れると跡がついてしまいます。
一度付着すると取れにくいタイヤ痕を対処するには、まず原因を把握しておく必要があります。
駐車する際にハンドルを複数回切る
駐車場の中で何度も切り返して車を出し入れすると、タイヤとコンクリートの間で摩擦が生じ、タイヤの主成分であるカーボンブラックが少しずつ削れて、コンクリートに付着してしまいます。
特に車が動いていない状態で何度もタイヤを切り返すとタイヤ跡が付着しやすい状態になるので気をつけましょう。
コンクリートは平滑に見えても凹凸がある
駐車場などのコンクリートは特に平滑に見えますが、よく見ると細かな凹凸が沢山あります。
この凹凸でタイヤが摩擦を起こし微妙に擦り減って跡が残ってしまいます。
色味がついたコンクリートではさほど目立ちませんが、白いコンクリートでは黒色が際立ってしまいます。
熱でタイヤが溶けて付着
夏場などは特に照り返しなどでコンクリートが65℃を超えるほどの高熱になります。
この熱によりタイヤが柔らかくなる場合や、更には熱により溶け出した成分がコンクリートに入り込み付着することもあります。
そのような際に、アクセルを強めに踏んだりすると余計にタイヤ痕が付着しやすい状態になります。
熱の対策はカーポートを取り付けるか、太陽光を反射して路面温度を下げる効果のある「遮熱性舗装」を検討しても良いかもしれません。
コンクリートについたタイヤ跡を綺麗に消す方法
コンクリートについたタイヤ跡は、薄い跡と濃い跡では汚れの消し方が異なります。
それぞれに適した方法を以下にて解説します。
コンクリートについた薄いタイヤ跡を消す
コンクリートに付着したタイヤ跡が薄い場合には、水を掛けてデッキブラシで擦ることでほとんどの跡を消すことができます。
基本的にタイヤの跡は、タイヤが薄く削れて付着したものになるので都度掃除をすると良いでしょう。
どのような方法でタイヤ跡を消すのか迷ったら、まずはこの方法を試してみましょう。
濃い跡も若干は消すことができるので、汚れた後の初動としては効果的です。
注意が必要なのは、材質の硬いデッキブラシを使用するとコンクリートを傷つけることになり、余計にタイヤの跡がつきやすくなる事です。
掃除用のブラシの材質は適度に柔らかいものを選定するのがポイントです。
コンクリートに付着した濃いタイヤ跡を消す
濃い跡が付着してしまうとなかなか跡を消すことができません。
そのような場合には次のような方法を試してみましょう。
重曹を利用する
掃除の味方である重曹を水に溶かして利用すると、付着したタイヤ痕の汚れが浮いてきて消しやすくなります。
タイヤ跡に重曹水を掛けた後に、材質に注意した上でデッキブラシにて擦るのも効果的です。
重曹はホームセンターなどで手軽に購入できます。
また最近では百円ショップなどでも重曹水が販売されているので利用してみると良いかもしれません。
メラミンスポンジで擦る
「激落ちくん」などの愛称で有名なメラミンスポンジを、水で湿らせてタイヤ跡を擦るのも良いでしょう。
前述の重曹水と合わせて使用するとより消しやすくなります。
メラミンスポンジは、ほとんどの汚れが綺麗に落ちるので非常に効果的ですが、すぐにスポンジがボロボロになったり広範囲のタイヤ跡を消すのに時間が掛かったりするので、最後の手段として考えましょう。
高圧洗浄業者に依頼する
タイヤ跡が消せない場合は、高圧洗浄業者に依頼する方法も検討しましょう。
高圧洗浄機はホームセンターなどでも販売されていますが、使い方を間違えるとコンクリートを傷つけたり表面を剥がしたりすることにもなります。
綺麗に掃除するつもりが余計な出費が発生することにもなります。
高圧洗浄専門の業者に依頼することで、そのような心配もなく安心してお願いすることができます。
ご自身で対処する事に不安がある場合などは選択肢として検討すると良いです。
タイヤ跡をつきにくくする対策と予防方法
一度付着してしまったタイヤ跡は仕方ありませんが、頻繁に掃除する事になると骨が折れます。
できれば掃除などのメンテナンスは最小限に留めておきたいものです。
ここからはタイヤ跡がつきにくくする対策と予防方法を解説します。
コンクリートに汚れ防止コーティング剤を塗る
コンクリートにタイヤ跡などの汚れを付着させない専用のコーティング剤を塗るのも効果的です。
コンクリートの上から塗る溶剤は複数ありますが、水性塗料で撥水性がありコンクリートの耐久性を同時に上げるタイプが人気です。
コンクリート汚れ防止剤は、凸凹したコンクリートの表面を緻密化することで汚れを落としやすくする効果があり、酸性雨などによる劣化や鳥のフンなどの汚れも落ちやすくする効果もあります。
コンクリート汚れ防止剤は一度塗ると3年〜5年耐久性があるので、汚れるたびに掃除をするよりも作業効率は格段に上がります。
モデリング塗装や駐車場用タイルの施工を検討
タイヤ跡の汚れが酷い場合は、コンクリート全体にモデリング塗装をする事も可能です。
モデリング塗装とは、コンクリートを生かしてその上に専用の塗装を施しカラーリングをする事を指します。
モデリング塗装をする事で、タイヤ跡を消すことはもちろんタイルやレンガ調など自由に塗装で表現することができます。
モデリング塗装は既存のコンクリートを壊したりすることなく塗装が可能で、駐車場のイメージチェンジとともにタイヤ跡が目立たないようなデザインにするなど見た目を大きく変えることができます。
また、駐車場専用のタイルなどを敷き詰めることでタイヤ痕を目立たなくする事も可能です。
各メーカより様々な種類が発売されており、300㎜×300㎜のタイルで1,000円〜3,000円程度で販売されているので比較的安価でイメージを変えることができます。
タイルを選ぶ際には、駐車場専用のタイルを選定しないと割れたりして危険なので注意しましょう。
タイヤ跡がつきやすい前面だけ素材を変える
車が停止状態でタイヤを左右に何度も切り返したりすると跡がつきやすくなります。
つまり車体の前側にタイヤ痕はつきやすくなる傾向なので、車庫の前半分だけ汚れがつきにくい石張りなどにすると効果的です。
全体を石張りにすると費用も割高になりますが、半分であれば施工費用を抑える事もできます。
広い駐車場などでは単調になりがちなコンクリート面ですが、石張りを用いるとデザイン的にもアクセントになり駐車場の外観イメージを変える事もできます。
駐車場のコンクリートに付着したタイヤ跡を消す際の注意点
駐車場のコンクリートに付着したタイヤ跡を消す方法を解説しました。
様々な方法がありますが、事前に注意すべき点もあります。
酸性の洗剤などは使用しない
薄いタイヤ跡などは、洗剤をかけてデッキブラシで擦る事で大体の汚れは落ちます。
ここで注意すべき点は、酸性の洗剤を用いないようにするという事です。
アスファルトの主原料はセメントと水、そして砂利です。
これらを混ぜ合わせて化学反応を起こすことで固まらせますが、その際にアルカリ性の水酸化カルシウムが生成されます。
つまりアスファルトはアルカリ性なので、酸性の洗剤を用いて洗うとコンクリートの劣化を早めて表面を傷めることになります。
洗濯で大活躍の漂白剤やトイレで使用するサンポールなども汚れ落ちは良いですが、同様の理由で使用するのは絶対にやめましょう。
コンクリートと相性の良い溶剤は重曹の他に「セスキ炭酸ソーダ」やオキシクリーンなど、「酸素系漂白剤」を使用すると安心です。
高圧洗浄機の取扱いには注意する
高圧洗浄機はとても強い圧力で水を排出して汚れを落とします。
手軽に購入できるようになって便利ですが、使い方を間違えると人を傷つけたり周囲を壊したりすることがあります。
特に日頃メンテナンスなど行っていない駐車場のコンクリート面に、いきなり高圧洗浄機で水をかけたりした場合に表面が欠けたりヒビが入った箇所は悪化させたりと悪影響を及ぼす事もあります。
ご自身で高圧洗浄機を使用する場合には十分気をつける必要があります。
まとめ
コンクリートにタイヤ跡がついたときの対処法と、汚さないための方法を解説しました。
コンクリートが新しいほどタイヤ跡はつきやすくなります。
こまめにご自身で掃除をする方法や、事前にタイヤ跡がつかないように汚れ防止コーティング剤やタイル張りなどの対策をする方法もあります。
タイヤ跡の汚れが酷い場合や、汚れが広範囲などの場合には高圧洗浄業者に委託すると良いでしょう。
タイヤ跡は必ず付着してしまう問題なので、汚れに気付いた時にメンテナンスを行うとタイヤ跡が濃い跡にならずに済むので日頃から注意しましょう。