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コンクリートに生えた苔の原因とは?取り方や対策について

コンクリートに生えた苔の原因とは?取り方や対策について

コンクリートに生えた苔を、そのまま放置してはいませんか。

苔を放置しておくと、コンクリートが劣化したり、滑りやすくなったりして危険です。

そのためコンクリートに生えた苔は、なるべく早く取らなくてはいけません。

そうはいっても、どうやって苔を取れば良いのか分からないという方も少なくないでしょう。

この記事では、コンクリートに生えた苔の取り方についてまとめています。

苔を生えにくくする対策についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

コンクリートに苔が生える原因とは?

苔は一般の植物と違い、胞子を飛ばして繁殖していきます。

風に乗って飛ばされた胞子がコンクリートに着くと、苔が生えます。

特に湿度が高い場所でよく育つため、ジメジメとした場所にあるコンクリートには、苔が繁殖しやすくなります。

晴れ間の少ない梅雨の時期などは、特に苔が生えやすいです。

ただし通常のコンクリートは表面が塗装でコーティングされているため、元々は苔が生えにくくなっています。

そのためコンクリートが新しいうちは、苔が生える心配はありません。

しかし経年劣化でコーティングが剥がれてしまうと、苔が生えやすくなってしまいます。

コンクリートに生える苔の種類

コンクリートに生える苔の種類

コンクリートに生える苔は、大きく2種類に分けられます。

ここでは、コンクリートに生える苔の種類について解説します。

ギンゴケ

ギンゴケは、茎の高さが3〜10ミリ程の苔です。

茎の先端が少し白っぽく、光が当たると銀色に見えることから「ギンゴケ」と呼ばれるようになりました。

日当たりが良い場所でも比較的育ちやすいため、道路脇やコンクリートでも繁殖していきます。

寒い場所にも強いことから、南極大陸での生息も確認されています。

スナゴケ

スナゴケは、茎の高さが2〜3センチ程の苔です。

上から見ると、キラキラとした星屑のような形に見えるのが特徴です。

日光や雪にも比較的強いことから、住宅のコンクリートでもよく見られます。

日光に強いものの乾燥し続けると、葉が茶色になり苔自体が弱くなってしまいます。

コンクリートに苔が生えやすい環境とは?

コンクリートに苔が生えやすい環境とは?

一定の条件が揃うと、コンクリートに苔が生えやすくなってしまいます。

ここでは、コンクリートに苔が生えやすい環境について解説していきます。

苔の生えやすい環境を知って、なるべく原因を取り除くようにしましょう。

日当たりが悪い場所

苔は日当たりが悪く、湿気のこもりやすい場所で繁殖します。

そのため住宅やマンションの陰になって、日が当たりにくい通路や壁に苔が生えやすいです。

風通しも悪ければ、さらに湿気がこもって苔がどんどん繁殖してしまうでしょう。

特に梅雨の時期であれば、雨が降った後でもなかなかコンクリートが乾かず、湿った状態が続きます。

玄関先などの湿気がこもりやすい場所でも、苔が生えやすくなるでしょう。

【参考】

河川の景観形成に資する – 石積み構造物の整備に関する資料(国土交通省)

結露が発生しやすい場所

窓など結露が発生しやすい場所は、湿気が溜まりやすいです。

また水滴があると常に水分がある状態なので、苔やカビなどが繁殖しやすくなるでしょう。

特にマンションの1階の庭は周りが建物のせいで、風通しが悪かったり陰になったりすることが多いです。

そのため通常より苔が生えやすくなるでしょう。

デコボコしている場所

デザイン性の高い壁面の場合、表面がデコボコしていることがあります。

新品の時はコーティングのおかげで、苔が生えることはないでしょう。

しかし経年劣化でコーティングが剥がれてしまうと、デコボコした場所に水滴が溜まって、苔やカビが発生しやすくなります。

壁の他にもコンクリートで作られている駐車場は、苔が生えやすいです。

車の出入りでコーティングが剥がれやすく、表面がデコボコしやすいことから、苔が生えることが多くなってしまいます。

近くに苔が生えている場所

前述の通り苔は胞子で繁殖していきます。

そのため近くに苔が生えている場所は、胞子が飛んできて苔が増えていきやすいです。

苔をそのままにしておくと、どんどん増えていくため、見つけたらなるべく早く取ることをおすすめします。

コンクリートの苔を放置するとどうなる?

コンクリートの苔を放置するとどうなる?

コンクリートに苔が生えても「表面が少し緑になるだけで気にならない」という方もいるかもしれません。

しかしコンクリートの苔を放置すると、様々な影響が出てきます。

ここでは、コンクリートの苔を放置すると出る影響についてまとめています。

コンクリートの劣化が早まる

苔をそのまま放置しておくと、コンクリートの内部に根を張ることがあります。

そうするとコンクリートの内部が腐ったりひび割れを起こしたりして、劣化が早まってしまうでしょう。

また苔が大量に繁殖すると、水分を多く含むため、外壁がへこむほどに水分が染み込んでしまうことがあります。

外壁がへこんでしまった場合は、張替え工事といった大がかりな工事が必要となることもあります。

滑りやすくなる

苔をそのままにしておくと、どんどん周りに繁殖していきます。

苔は多くの水分を含んでぬるぬるしているため、滑りやすくなります。

もし滑って足などを負傷した場合、治療費が必要となる場合もあるでしょう。

また怪我をすると日常生活にも支障が出てしまうため、苔はそのまま放置しないようにしましょう。

健康に害が出ることも

苔は前述のとおり、胞子で繁殖します。

そのため苔を放置しておくと、周辺に胞子が舞い上がってしまうでしょう。

大量に胞子を吸い込んでしまった場合、アレルギー性鼻炎や皮膚炎などを発症してしまう恐れがあります。

健康に害が出る恐れがあるため、コンクリートの苔は早めに除去することをおすすめします。

コンクリートの苔を取る方法

コンクリートの苔を取る方法

コンクリートの苔を見つけたら、なるべく早く除去したほうが良いでしょう。

ここでは、コンクリートの苔を取る方法についてまとめています。

高圧洗浄機で取る

コンクリートの苔は、高圧洗浄機で掃除することで、根こそぎ取り除くことができます。

特に苔が大量に繁殖して、広範囲を掃除しないといけない場合におすすめです。

洗剤などがいらず、水だけで落とせるため便利です。

高圧洗浄機を使用する場合は、弱めの力から試してみましょう。

一番強い力で噴射すると、コンクリートの塗装やコーティングを剥がしてしまう恐れがあるためです。

弱い力で試しながら、苔が落ちるくらいの力になったら、一気に苔を落としていきましょう。

洗剤で取る

まだ生えたばかりの苔であれば、普段から食器洗いに使用している洗剤で落ちることがあります。

苔の生えた場所に洗剤を吹き付けて、ブラシでゴシゴシと擦ってみましょう。

もし取れない場合は、たわしを使うのもおすすめです。

ただし力を入れすぎてしまうと、コンクリートの塗装が剥がれてしまう場合があります。

適度な力で苔を落としていくように、注意しましょう。

カビ取り剤・ハイターで取る

苔が生えてから日数が経ってしまった場合は、カビ取り剤やハイターを使って苔を落としてみましょう。

基本的には、カビ取りをする時の流れと同じです。

ゴム手袋やマスクを装着して、カビ取り剤やハイターの説明に書いてある通り、適量を苔に吹きつけます。

既定の時間、放置したあと、ブラシや水で擦って洗い流しましょう。

苔の除去剤で取る

ホームセンターや通販サイトで、苔専用の除去剤が販売されています。

スプレー型のものが多いので、広範囲に一気に噴きつけることができて便利です。

苔がある場所に噴射して、苔全体に除去剤が行き渡るようにします。

隙間や角にもスプレーをしっかりと吹き付けることがポイントです。

その後は説明書にある通りの時間、放置しておくと、苔が綺麗に取れるでしょう。

また苔の除去剤はコンクリートだけでなく、レンガやタイルなどにも使用できます。

他の場所にも苔がある場合、一辺に落とせるためおすすめです。

コンクリートの苔を落とすNGな方法

コンクリートの苔を早く落としたいと思って、自分なりの方法で落とそうとする方がいます。

しかし苔の落とし方を間違えると、返って悪化してしまう場合があります。

ここでは、苔を落とすNGな方法をお伝えします。

熱湯で落としてはいけない

苔を落とすために「熱湯をかけると良い」と紹介されていることがあります。

しかしコンクリートは、熱湯をかけても耐えられるようには出来ていません。

夏はコンクリートの表面が60℃ほどに上がるので、そこまでは耐えられますが、沸騰した熱湯は100℃なので、コンクリートが破損してしまう可能性が高いです。

さらにコンクリートは、急に熱くしたり冷やしたりするような前提で作られていません。

そのため急にたくさんのお湯をかけると破損して強度が落ちてしまうでしょう。

表面の塗装はもちろん、割れることもあるので熱湯をかけて苔を落とすことは止めておきましょう。

酢で落としてはいけない

「酢であれば、環境にやさしい成分で汚れが落ちる」といったフレーズを目にすることがあるでしょう。

しかし苔を酢で落としてしまうと、食品のにおいにつられて、蚊やコバエといった虫を寄せてしまうことがあります。

特に酢は虫をおびき寄せてしまうため、外壁などにぬると、虫がくっついてしまう可能性が高いです。

また酢は人の口に入るものなので、成分が身体にやさしいと言われていますが、洗剤やクリーナーに比べると、やはり苔を落とす効力は劣ってしまいます。

しっかりと苔を落としたいのであれば、酢は使わないようにしましょう。

コンクリートの苔を生えにくくする方法

コンクリートの苔を生えにくくする方法

コンクリートは、日頃から苔を生えにくくしておくことも大切です。

ここでは、コンクリートの苔を生えにくくする方法についてお伝えします。

乾燥させる

苔はジメジメした環境が好きです。

そのため乾燥した環境では、苔が生えにくくなります。

しかしコンクリートは屋外にあるため、なかなか乾燥させるのは難しいでしょう。

もし雨が降って乾燥しにくい場所でコンクリートに苔が生えてしまう場合は、その場所に屋根や雨よけを設置するのもひとつの手です。

自転車やダンボールといった物を置いて日当たりが悪くなっている場合は、物を別の場所に置いて日当たりを良くしましょう。

苔が生えないように、なるべく乾燥する環境を整えることが大切です。

コーティングする

苔を予防するために、コンクリートをコーティングするのも効果的です。

特に撥水や防水効果のある塗料であれば、雨などで濡れにくくなります。

乾燥した状態を保てるため、苔が生えにくくなるでしょう。

透水性コンクリートを使用する

苔を生えにくくするためには、透水性コンクリートを使用するのもひとつの手です。

透水性コンクリートとは、雨を透水させて表面に水が溜まりにくくなっているコンクリートです。

表面に水が溜まりにくいため、透水性コンクリートであれば苔の発生を防ぐことができます。

もし苔が生えすぎてコンクリートを張り替える際は、透水性コンクリートを使用すると良いでしょう。

まとめ

コンクリートに生えた苔を取る方法は、さまざまです。

もし生えたばかりの苔であれば、普段使用している洗剤で取れるかもしれません。

しかし苔が広がってしまった場合は、高圧洗浄機や苔専用の除去剤を使用したほうが良いでしょう。

また苔の生える主な原因は、ジメジメとした環境にあります。

そのためなるべく乾燥する環境を整えてあげることが大切です。

苔を取った後は、物を置かずになるべく日当たりを良くしてあげましょう。

もし雨が乾きにくい場合は、屋根を付けるのもひとつの手です。

日頃からコンクリートに苔が生えない環境を整えてあげましょう。

よくあるご質問

コンクリートに苔が生えやすい環境って?
日当たりが悪い場所、結露が発生しやすい場所などで苔は発生しやすいです。
苔を除去するのに熱湯は有効ですか?
沸騰した熱湯を使った場合、コンクリートを傷めてしまう恐れがあるため、おすすめできません。

この記事の監修者

奈良の高圧洗浄会社「エコロビーム奈良」の代表

株式会社タケマル 代表取締役 清水 隆圭

高い技能を兼ね備えた高圧洗浄業者が複数加盟する一般社団法人特殊高圧洗浄協会に加盟しており、高圧洗浄の幅広い知識と技量を有しております。
一般家庭だけではなく、公共施設やテーマパークなどの大規模施設の洗浄業務にも携わる安心安全の高圧洗浄技術で、あらゆる汚れのお悩みにお応えします。
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