車やバイクに乗られる方ならば、給油時のガソリン噴きこぼしなど一度は経験したことがあるかもしれません。
車体に付着しただけならば拭き取ることで対処できますが、アスファルトやコンクリートにこぼした場合は注意が必要です。
ここでは、そういった方の為に、アスファルトやコンクリートにガソリンをこぼした時の対処法と、染みになった場合の汚れの落とし方を解説します。
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アスファルトやコンクリートにガソリンをこぼすとどうなる?
アスファルトやコンクリートにガソリンをこぼすシチュエーションとしては、自宅でバイクをメンテナンスする際や、事故や整備不良などでタンクが破損して漏れ出す場合などがあります。
頻繁に引き起こすものではないので、万が一の際にどのような事が起きるのか分からない方も多いです。
実際にガソリンをこぼす事による危険性は次のようなケースがあります。
ガソリンが気化して引火
一般的にガソリンは危険であるという認識はありますが、自然に引火する発火温度は500℃以上とされています。
そのため、余程の事がないと引火しないと思われますが、タバコのポイ捨てや静電気など、意外と簡単に火がついてしまうので危険性が高い事を再認識する必要があります。
特にトラックなどが付けている泥除けの鉄板などが擦れると引火の危険性があります。
空気が乾燥する冬場などは、特に静電気が発生するシチュエーションが多くなるので気をつけましょう。
アスファルトにガソリンをこぼした場合のリスク
アスファルトにガソリンをこぼした場合は要注意です。
アスファルトの原料にはガソリンと同様の油が含まれています。
つまりガソリンをこぼすとお互いに混じりあおうとする力が働き、時間をかけて徐々に浸透して、アスファルトの劣化を早める事になります。
そして最悪の場合には、アスファルトを沈下させるなどの危険性もあります。
コンクリートにガソリンをこぼした場合のリスク
コンクリートにガソリンをこぼした場合は、早めに対処しないとオイル染みになりやすく、汚れがなかなか除去できなくなります。
また、コンクリート付近の土壌までこぼした範囲が広がると、土壌汚染や地下水・川などの環境を破壊する事にも繋がるので要注意です。
ガソリンをアスファルトにこぼした際にまず行う事
ガソリンをアスファルトなどにこぼした場合には、初動として拭き取れるレベルの量であればタオルなどで拭き取りましょう。
少量であればすぐに気化して引火までのリスクはありませんが、ある程度広範囲にこぼした場合は危険度が大きく跳ね上がります。
広範囲にこぼした場合は、気化させやすい土や砂をかけて火災のリスクを軽減させましょう。
ガソリンや油を吸着させる専用の吸着剤には「油吸着材セルソーブ」などのようなものがあります。
「油吸着材セルソーブ」は天然セルロースで、1kg当たり約20Lのガソリンや油などを吸着します。
他にも各メーカーより様々な同様製品があるので、もしもの時の為にいずれかを用意しておくと安心です。
中には犬猫用のトイレの砂で代用する事もあるようですが、処分は自治体の指示に従い処理しましょう。
こぼしてしまったガソリンが染みになった際の対処法
ガソリンなどの油汚れは、長期間放置すると染みになりやすく掃除しても簡単には取れなくなります。
染みになってしまった際の対処としては次のようなものがあります。
水で洗い流す
薄いシミや小さなシミなどは、水で洗い流しながらデッキブラシで擦ると洗い流せます。
広範囲のシミや長年放置したシミなどにはあまり効果がありませんので、初期段階のシミには一定の効果が見込めるので試してみましょう。
硬いデッキブラシで擦りすぎると、アスファルトやコンクリートの表面を傷つける恐れがあるので、使用するデッキブラシは腰が弱いものを選ぶと良いでしょう。
洗剤を使用して洗浄する
ガソリンには油が多く含まれるので、広範囲の染みになると水を弾いて染みを落としにくい状態になります。
この場合には、中性洗剤かアルカリ性洗剤を使ってガソリンを浮かせてデッキブラシで擦って洗います。
中性洗剤はガソリンなどの油汚れに強い専用の洗剤もありますが、JOYなどの油汚れに強い家庭用の洗剤でも十分落ちるので試してみましょう。
アルカリ性洗剤なら家庭用の重曹を水で溶かした重曹水や、セスキ炭酸ソーダ、オキシクリーンで有名な過炭酸ナトリウムなどを使用するのがおすすめです。
使用する水は温水を使用すると、より染みを浮かせる事ができるので利用してみましょう。
高圧洗浄専門の業者に依頼
ガソリンの染みと日々のゴミ・塵などが蓄積された汚れは、上記のような方法でもなかなか取る事ができません。
市販の高圧洗浄機でも一定の効果はありますが、しつこいガソリンの染みまでは落とす事ができません。
そればかりかアスファルトやコンクリートを水圧で壊してしまう恐れがあります。
高圧洗浄業者に依頼することで、特殊な技術とプロならではの手法でアスファルトやコンクリートを傷つける事なく綺麗にガソリンの染みを落とす事ができるでしょう。
ご自身で落とせない染みや汚れがある場合は、高圧洗浄業者への依頼も検討すると良いかもしれません。
まとめ
アスファルトやコンクリートにガソリンをこぼした時の対処法や、染みになった汚れの落とし方などを解説しました。
ガソリンをこぼしてしまうと、気化して引火する恐れやアスファルトを劣化させたり、また土や川などの環境を破壊させる事になる恐れがあります。
こぼしてしまった際には早期に拭き取る等の対処が必要です。
それでも染みになってしまった場合には、自身で洗浄ができる状態であれば対処し、染みがひどい場合には高圧洗浄業者に依頼すると安心です。
染みの度合いや予算に合わせて最適な方法を選択すると無理なくメンテナンスができるので、シチュエーションに合わせて最適な方法を検討してみましょう。