駐車場によくいる鳥ですが、特に問題視しておらず、いつの間にか大量のフンをされて掃除に困ったなどの経験がある方もいるのではないでしょうか。
後で掃除すれば良いかと放置していると、さらにフンをされたりシミになったりと思わぬ事態に陥ることもあります。
ここでは駐車場のコンクリートについた鳥のフンの正しい掃除方法と、安全に掃除するためのポイントについて解説します。
Contents
駐車場のコンクリートに付いた鳥のフンを放置するとどうなる?
駐車場のコンクリートに付いた鳥のフンの掃除は、余程酷くない限り後回しにしがちです。
意外とご存知ない方も多いですが、鳥のフンを放置しておくと次のようなリスクがあります。
健康被害へのリスク
小さい頃、寺院などで鳩などの鳥にエサをあげたりした記憶があるかもしれません。
あまり深く考えて接してはいなかったと思いますが、その鳥のフンには様々な病原菌やカビなどが含まれています。
特に乾燥してしまったフンは、直接触れることがなくても近くを歩くことで空中に舞い上がり、知らないうちに吸い込んでしまうリスクがあります。
粉末になった鳥のフンを吸い込む・接触してしまうとサルモネラ食中毒、トキソプラズマ症、クリプトコッカス症などの感染症に掛かるリスクがあります。
いずれも嘔吐や胸の痛みなど人体に悪影響を及ぼすので注意が必要です。
コンクリートの腐食リスク
鳥のフンには病原菌が含まれているだけではなく、酸性の成分を有しています。
そのためコンクリートに長期間触れていると、成分として含まれる炭酸カルシウムを徐々に溶かしてしまい、腐食のリスクを高めることに繋がります。
また、コンクリート以外にも金属や車の塗料に付着して放置した際にも、色褪せや錆などの原因になります。
鳥のフン掃除に必要な道具
コンクリートに付いた鳥のフンを掃除する際には、上記のような健康被害の恐れがあります。
少しでもリスクを低減させるためにも、次のようなものを事前に準備しましょう。
- マスク
- 使い捨てゴム手袋又は軍手
- 保護メガネ(飛散防止対策)
- アルコール消毒液、除菌スプレー
- エタノール
- 雑巾(使い捨てができるもの)
- お掃除シート(キッチンペーパーや新聞紙でも可)
- デッキブラシやスポンジ
- ゴミ袋
- 次亜塩素酸ナトリウム(カビキラー、ハイターなど)※汚れがひどい場合に使用
健康被害対策として、マスクと手袋の装着は必須です。
使い捨ては勿体ない気持ちもあるかもしれませんが、可能な限り使用した道具は使い捨てをするようにしましょう。
作業する際には、できるだけ素肌を露出しておかない方がよいので、百円ショップなどに売っているカッパなどを羽織るとより安心です。
コンクリートに付いた鳥のフンを綺麗に掃除する方法
事前準備ができたら実際にフンの掃除に取り掛かります。
掃除する方法としては次の3つの方法が効果的です。
エタノールを使用する
エタノールは殺菌効果があります。
鳥のフンを掃除する際に使用するとより安心なので、利用すると良いでしょう。
エタノールを使用する方法では、まず鳥のフンにエタノールをかけてふやかします。
乾燥していないフンの場合には、事前にキッチンペーパーや新聞紙等で取り除いておきましょう。
エタノールをかけて浮き上がってきたフンを取り除き、最後に仕上げとして再びエタノールをかけて殺菌します。
汚れが取れにくい場合は、ブラシで擦ると落ちやすくなります。
重曹・セスキ炭酸ソーダを使用する
重曹・セスキ炭酸ソーダのようなアルカリ性の薬品は、酸性の鳥のフンを除去するのに効果的です。
アルカリ性の成分が強いほど汚れが落ちやすい傾向にありますが、その分皮膚に対して刺激が強くなるので肌が弱い方は必ず手袋をして作業をしましょう。
重曹・セスキ炭酸ソーダを使用するには、液体にして重曹水・セスキ炭酸ソーダ水を作る必要があります。
作り方は次の方法です。
重曹水の作り方
重曹水は水100mlに対して、重曹を小さじ1杯入れてよく混ぜ合わせます。
重曹水は百円ショップなどにも売っているので、重曹が家庭にない方は出来合いの商品を購入しても良いでしょう。
セスキ炭酸ソーダ水の作り方
セスキ炭酸ソーダ水は水500mlに対して、セスキ炭酸ソーダを小さじ1杯入れます。
重曹よりもアルカリ性が強いので、手が荒れるリスクがあることを理解して取り扱いなどには注意しましょう。
重曹水・セスキ炭酸ソーダ水を使う場合も、事前に除去できる鳥のフンは取り除いておきましょう。
使用方法としては重曹水やセスキ炭酸ソーダ水をよくフンにかけて、ふやかしてからブラシやスポンジでよく擦り汚れを取りましょう。
シミになった鳥のフンの汚れも効果的に落とすことができるので活用してみましょう。
最後にエタノールで除菌するとより効果的で安心です。
高圧洗浄機で汚れを除去
コンクリートに付着した鳥のフンを一番効率的に除去できるのは、高圧洗浄機を使用する方法です。
短時間で綺麗に掃除をすることができるので非常に便利ですが、周囲に鳥のフンを撒き散らすことになるので使用には注意が必要です。
ご自身で対応できない場合には、高圧洗浄業者に委託することも検討しましょう。
環境に優しい専用の溶剤を使用して鳥のフンを除去してもらえますし、誤って駐車場のコンクリートを高圧洗浄機の圧力で破損させる危険性もありません。
ご自身での除去に迷ったら高圧洗浄業者に一度相談してみると良いでしょう。
付着した鳥のフンを掃除する際の注意点
実際に鳥のフンを掃除する前に、注意しておかなくてはならないことがあります。
鳥のフンを見つけたら早急に処理する
鳥のフンは健康被害があるとともに、放置しておくと固まるとともに取れにくいシミになります。
一度シミになると高圧洗浄業者に依頼しないと取れにくい汚れになります。
見つけたらできるだけ早く掃除する等の対応をするとよいでしょう。
また、鳩などは帰巣本能が強い鳥なので、フンを放置していると何度も戻ってフンをするので、見つけたら早めの対処をすることで二次被害を避けられるでしょう。
鳥のフンの掃除は拭き掃除が鉄則
鳥のフンは乾燥しているとホウキなどで掃いて掃除したくなりますが、掃いて掃除すると空気中に乾燥したフンの粉末を撒き散らすことになります。
そのため基本的に乾いていないフンはそのままペーパーなどで拭き取りを行い、乾いたフンは水分で濡らして拭き取るのが良いでしょう。
拭き取ったペーパーなどはビニール袋に入れて触れることのないよう注意します。
掃除道具は使いきりを意識する
鳥のフンには見えない病原菌が沢山含まれています。
掃除後には手洗いが必須ですが、使用した掃除道具も基本的には使い回しをすることはおすすめできません。
健康被害を抑制するためにも、一度掃除に使用した掃除道具は処分をするか、再利用するなら煮沸消毒をすることを忘れないようにしましょう。
免疫力が弱い方は要注意
小さい子供や妊婦さん、そして呼吸器疾患のある方やお年寄りの方など、免疫力が弱いと考えられる方は掃除を辞退してもらいましょう。
特に身体が弱っている際にも、感染症のリスクがあるので安易に掃除をするのは危険です。
別の方に掃除を変わってもらうか、掃除専門の業者に依頼すると健康面で安心です。
コンクリートに鳥のフンが落ちないようにする対策
フンで汚れてしまったコンクリートは、掃除すれば元の綺麗な状態に戻りますが、できれば掃除はあまりしたくないものです。
次のような対策を施すことにより、フンがつきにくいようになります。
光の反射を利用する
多くの鳥は光の反射などがあると、警戒して寄り付かなくなる傾向があります。
CD盤のような反射鏡を駐車場にぶら下げておくなどすると一時的に効果があります。
短期的な効果が見込めますが、光の反射に鳥が慣れてくると効果が効きにくくなります。
鳥害専用禁忌剤を使用する
鳥害対策として販売されている鳥が嫌がる禁忌剤を利用するのも有効的です。
多くの商品はスプレーなどの場合が多く、簡単に対策できるので便利です。
見た目でもCD盤のように外観を損なうこともないので、気軽に使用できるのが魅力です。
有刺鉄線で鳥害対策をする
鳥や立ち寄りやすい場所に予め有刺鉄線を張り巡らせると、鳥が寄り付きにくくなります。
有刺鉄線などは一度設置すると長期的に効果が見込めるので、鳥が寄り付きにくくなる環境を作るのには良いでしょう。
しかし設置に時間が掛かったり、設置中に怪我をする恐れがあるので注意しましょう。
まとめ
駐車場のコンクリートについた鳥のフンの正しい掃除方法や、安全に掃除するためのポイントなど解説しました。
鳥のフンは感染症のリスクなどがあるため、事前に準備をして掃除に取り掛かる必要があります。
実際の掃除では、エタノールや重曹、セスキ炭酸ソーダなどを利用すると効果的です。
ご自身での清掃が困難な場合や、鳥のフンの汚れが酷い際には高圧洗浄業者に依頼すると綺麗に掃除することができます。
定期的な清掃は時間と労力が掛かるので、事前に鳥のフンが付きにくい環境作りをしましょう。